飛蚊症の見え方で最も多いのが、病名にもある「蚊が目の前をブンブン飛んでいるような感じ」です。
しかし、これには個人差が非常にあるので「コレ!」という見え方のルールのようなものはありません。
飛蚊症の様々な見え方
①黒ゴマや黒い点のようなものが見える
形は、ちょうど黒ゴマくらいの大きさで、2~3粒くらいで気づきはじめます。小さければすぐに消えてしまうこともあるのですが、増えたり減ったりすることがあります。
いきなり増えてしまった場合や視力が落ちてしまった場合などは、網膜剥離など眼に異常が生じた可能性もあるので、眼科で調べてもらいましょう。
②ぼんやりしたリング状のものが見える
ちょうど視野の中心の少し脇あたりに、ぼんやりとしたリング状のものが見える場合があります。
これは高齢者に起きやすい「後部硝子体剥離」による飛蚊症かもしれません。
③墨を垂らしたような影が見える
この場合は、硝子体出血によって起こる飛蚊症かもしれません。目の中に出血して、それが硝子体に入り込むことで飛蚊症を発症します。
眼底出血などがあり、その出血が墨を垂らしたような影となって目に見えるからです。
④光がないのに、ピカピカ、チカチカ光が見える
飛蚊症の症状と一緒に現実にはない光が見える「光視症」が起こることがあります。これは網膜剥離の初期症状ともいわれています。
剥離が進行すると、視野の一部が欠けているのを自覚するようになり、見るものがゆがんでしまうこともあります。この場合は早急に眼科で診てもらいましょう。
⑤その他の飛蚊症の見え方
最も多い生理的飛蚊症での見え方は、小さな虫や糸くず、そのほかにも水玉模様やアメーバーのような形、黒かったり、半透明であったり、雲のようにふわふわとぼやけて浮かんでいる場合もあります。
どうしていろいろな形が見えるのか
飛蚊症の原因は、水晶体の後ろにある硝子体という部分の濁りです。この濁りは細胞の線維であったり、シワであったりさまざまです。そのときどき、人によって形も見えるイメージも変わってきます。
硝子体にあるものを映し出しているのですから、目をつぶっても、眼をこすってもなくなることはありません。まれにシワが何らかのタイミングで伸びてくれたり、濁りの原因になっているものが細胞組織に吸収されて消失したような場合、浮遊物は見えなくなります。
しかし、それは飛蚊症が治ったということではなく、いつまた目に映るのかわからないということです。
ほこりと飛蚊症の違い
飛蚊症の自覚がない人は、目の前の浮遊物を空中のほこりと思い込んでしまうことがあり、飛蚊症の発見が遅れることがあります。
しかし、ほこりは視点をずらせば見えなくなりますが、飛蚊症は視点をずらしても常に見えています。この時点で「おかしい」と感じなければなりません。
さらに、いつまでも空中に浮いていたり、同じ速さで直線的に動くのも特徴です。毎日、同じ形のほこりが規則正しく視界を横切っていくように見える場合は、飛蚊症が起こっていると自覚しましょう。
おわりに
このように飛蚊症の見え方は、人によっても、さらに日によっても変わってきます。それは角度によって硝子体の濁りは形を変えるからです。
飛蚊症は暗い場所では見えにくくなるのですが、気になりだすと空や明るい場所で常に見えるため、うっとうしくなることも度々です。
しかし、慣れればあまり気にならなくなるので、あまりなーバスにならないことが大切です。ただし、いつもと違った異常があれば眼科で診てもらうようにしましょう。