飛蚊症には「生理的原因」と「病的原因」があります。この2つの原因によって治療方法が異なってきます。
まず自分の飛蚊症がどのような原因によって引き起こされているのか。自己判断は難しいので、眼科での検査が必要になります。
飛蚊症の原因については、こちらに詳しくまとめました。
⇒飛蚊症の4つの原因!発症するメカニズムとは?
病院でどんな検査を受けるの?
まず病院で検査を受けます。飛蚊症の検査方法としては、「眼底検査」を行います。
眼に光を当てて詳しく調べるのですが、眼に光を当てると自然に瞳孔は閉じてしまいます。これを防ぐため瞳孔を開く目薬を点眼しなくてはなりません。検査はこの目薬を差して顕微鏡で目の内部を観察するだけですから、基本的に痛みはありません。
検査自体は30分前後で終わりますが、検査後に開いた瞳孔が元に戻るのに4時間ほどかかります。また費用は、初診料・検査料を合わせて5,000円程度を予定しておくといいでしょう。
生理的原因の飛蚊症治療
生理的原因の場合、老化現象、眼の疲れなどが原因ですので、とくに有効な治療方法というものはありません。必要以上に過敏にならず、慣れていくことをアドバイスされます。
ただし、老化が進んで硝子体が縮んでしまい「後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)」になると、網膜剥離などの眼病を引き起こす危険性があるため、病院で定期検査を受けて経過観察が必要になります。
レーザーは飛蚊症を治してくれる?
生理的原因の飛蚊症に関しては、とくに有効な治療方法がないとされてきました。しかしアメリカではレーザーによる飛蚊症治療が行われています。
そして、日本でも最近になってレーザー治療が注目されています。ただし100%治癒するかというとその保証はなく、あくまでも改善というスタンスでの治療ということになります。
治療費も両目で30万円と高額ですし、まだまだ一般的とはいえません。
病的原因の飛蚊症治療
飛蚊症を自覚した日時がハッキリしていたり、飛蚊症だけでなく視力の低下、かすみ、視野の一部が見えにくくなるといった症状が伴う時には、できるだけ早く眼科を受診しましょう。
また、飛蚊症を自覚していても、急にたくさんの浮遊物が見えるようになったら病気の疑いがあります。
それぞれの病的原因について、詳しく見ていきます。
①網膜裂孔・網膜剥離による飛蚊症の治療
網膜裂孔・網膜剥離による飛蚊症は、薬物では治療することができません。網膜に穴ができたばかりで、まだ剥離が起こっていない時には、レーザー光線で穴の周囲の網膜を固めることで、剥離を予防できるケースがあります。
網膜剥離を起こしている場合には、手術が必要になります。手術方法は、網膜の状態や年齢などによって選択しますが、網膜にシリコンスポンジを巻きつける「バックリング手術」と硝子体を除去して眼球内にガスを入れ、網膜を内側から直接つける手術があります。
②ぶどう膜炎
ぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜の総称)に炎症が起こることで、飛蚊症、目のかすみや充血、痛みが伴います。原因不明の場合もありますが、糖尿病、リウマチ、結核、梅毒などの病気があるケースもあります。治療方法としてはステロイドの点眼や注射が行われます。
③硝子体出血
目の中に出血し、それが硝子体に入り込むと飛蚊症が出現します。高血圧、糖尿病などがある人は注意が必要です。治療としては、出血の自然吸収を待つ場合もあります。網膜裂孔・網膜剥離が疑わしい場合はできるだけ早く硝子体手術を行って、硝子体出血を取り除きます。