最近よく眠れていますか?
朝、気持よく目覚めていますか?

 

実は睡眠と目は、いろいろな点で深いつながりがあります。

寝ているときにキョロキョロ目が動いたり、目からの光が体内時計をリセットしていたり、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌にも大きく関係しています。

寝ているときに目が動くのはなぜ?

睡眠には「レム期」と「ノンレム期」があります。

レム期の特徴は体が休んでいるのに、脳は活発に活動しており、浅い眠りになります。夢を見るのはこの浅い眠りのレム期です。

ノンレム期の特徴は、脳も体も休んでいる状態で深い眠りになります。

 

寝ているときに目がキョロキョロと動くのは、レム期です。

脳と目の神経は直接つながっていますから、脳の働きとともに目も一緒に動きます。夢を「見ている」こと自体、目を動かしていることだともいえます。

体内時計をリセットする

体内時計ってなに?

人間は朝起きて、昼間活動し、夜寝るというのが生活リズムになっていて、体内時計がセットされています。夜行性の動物には、全く逆の体内時計がセットされています。

 

地球の1日は、24時間。

ところが私たち人間の体内時計は25時間といわれ、そのままだと1時間ずつどんどんズレていって、夜行性になったり、昼行性になったりして大変なことになります。

そこで地球の自転である24時間に合わせるように、体内時計をリセットする役割を持つのが太陽の光なのです。

体内時計の働きとは

体内時計の働きは、朝が来たら眼が醒めて、夜が来たら眠くなるということが自然にできるようにコントロールしています。

 

それだけではありません。

睡眠中のレム期、ノンレム期などの90分周期のリズムや、皮膚の新陳代謝や女性の生理の30日周期といった自然と備わっている生体リズムすべてが、体内時計によって管理されています。

 

そのため、体内時計に狂いが生じると、睡眠障害が起こったり、成長障害や老化現象が早まったりします。

高血圧や糖尿病、脂質異常症といって生活習慣病も引き起こすといわれ、健康維持、生命維持に大きな影響を与えます。

体内時計をリセットするために

体内時計をリセットするためには、朝、太陽の光を網膜に取り込む必要があります。

その光は視神経を通って、視床下部にある視交叉上核(しこうさじょうかく)に届きます。

 

体内時計は心臓や肝臓、皮膚、血管というあらゆるところにありますが、ここがマスターロックともいわれる管制塔のような役割をしています。ここでリセットされた情報が、瞬く間に全身の体内時計に届けられます。

 

逆に、夜遅くまでパソコンなどの電子機器の強い光を目に入れてしまうと、体内時計が狂ってしまいます。眠りたくても眠れない、日中猛烈な眠気が襲って集中できないといった障害を引き起こしてしまいます。

 

体内時計をリセットするためには、眠くても朝必ず起きて、朝日を浴びること。夜遅くまで強い光を目に入れないことが大切です。

メラトニンの関係

メラトニンは、睡眠と関係の深いホルモンです。

体内時計によって、眠る準備に入ると分泌され、あくびが出たり、眠気を催したりする作用があります。

 

メラトニンは、朝の強い光の刺激によって体内時計がリセットされると同時に、分泌を止めます。そして夜寝る時間である14~16時間後にふたたび分泌が始まって眠りモードに入ります。これが本来あるべき1日のリズムです。

 

メラトニンは、質のよい睡眠のためには欠かせないホルモンですが、その分泌を妨げてしまうものがあります。

 

それは「寝る前の強い光」「交感神経の興奮」「ストレス」です。

寝る前のパソコンやスマホ、激しい運動や熱いシャワー、お酒やたばこなどできるだけ避けるようにしましょう。

まとめ

昔の人は日が昇れば起きて、日が沈めば寝るという生活リズムでしたが、現代は24時間です。

心して規則的な生活を送らなければ、睡眠障害を起こし、精神的にも肉体的にもバランスを崩してしまいます。早寝・早起きを心がけるようにしましょう。