ものもらいって、なると意外と治らなくて厄介ですよね。

ものもらいは、昔から一般庶民を悩ませていたもので全国にいろいろな呼び方がります。関西方面では「めばちこ」北海道では「めっぱ」などと呼ばれています。

 

ものもらいの由来は「目の周りにできものができたら、よその家に行って、人から物をもらうと治る」という言い伝えがあり、それが東日本を中心に広がったといわれています。

ここでは、ものもらいの原因と治療法を、麦粒腫と霰粒腫に分けてご紹介します。

ものもらいの種類

ものもらいには「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」の2種類があります。

この2つを総じて「ものもらい」と呼んでいますが、医学的にはそれぞれ原因や症状、治療法なども違ってくるため注意が必要です。

麦粒腫の原因と治療法

<h3●麦粒腫の原因は、黄色ブドウ球菌

まぶたには皮膚と同じように、皮脂や汗の分泌腺、毛穴があります。
その小さな穴から細菌が入り込むことで、化膿してまぶたが腫れあがってしまいます。

 

細菌のなかでもこの麦粒腫を引き起こすのが黄色ブドウ球菌です。黄色ブドウ球菌は健康な人の皮膚や粘膜、髪の毛や腸管、手の指にも生息しているごく普通の細菌です。

 

ところが、免疫力が落ちたりすると、ちょっとした傷から入り込んで化膿することがあります。

まぶたを汚れた手でこすったり、洗顔が不十分だったり、コンタクトレンズのずさんな管理などでも起こります。

麦粒腫の症状

麦粒腫は、主にまつ毛の根元あたりが赤く腫れあがります。

最初はまぶたのゴロゴロ感から始まって、徐々に熱を帯びてきます。腫れてきて痛みを感じ、目やにも出るようになります。

 

ときには、同じ側の耳のリンパ腺が腫れることもあります。炎症が進むことで、腫れた部分が破裂して、膿が出てきます。膿ができってしまえば、あとは快方に向かいます。

麦粒腫の治療

麦粒腫は膿が出ることで自然治癒することが多い症状です。

しかし、目の腫れを早く治したい場合、病院で点眼薬や眼軟膏、さらには炎症がひどい場合は、抗炎症薬を処方されます。

 

ものもらいは、その言葉の響きから人に感染するのではないかと心配する人もいますが、誰もが持っている雑菌が原因なので、うつることはありません。

霰粒腫の原因と治療法

霰粒腫の原因は分泌物

まぶたには皮脂成分を分泌する「マイボーム腺」というものがあります。この腺がつまってできるのが霰粒腫です。

麦粒腫のように細菌感染ではないので、ほとんどの場合赤く腫れたりすることはありません。ただし、つまったことで炎症を起こすと痛みや腫れることもあります。

霰粒腫の症状

霰粒腫は、マイボーム腺がつまって小さなしこりのようなものができます。さわるとコリコリとした硬さを感じます。

通常は痛みは感じませんが、気になって手で触ったりすると、細菌が入り込んで炎症を起こすこともあります。炎症を伴うと麦粒腫とよく似た症状になるので間違えやすくなります。

霰粒腫の治療

麦粒腫は中の膿が外に出てしまえば、快方に向かいますが、霰粒腫の場合は放置しておくとそのまま同じ状態が続きます。

ときどき、吸収されて自然消滅することもありますが、ほとんどの場合、硬いしこりになってしまうことが多いようです。

その場合には、簡単な手術で中の老廃物を取り除くことになります。

まとめ

ものもらいを予防するためには、とにかく目の周りの清潔を心がけることです。

特に女性は濃いアイメイクによって、お化粧が毛穴に入り込んだり、クレンジングがしっかりできていないとものもらいになりやすくなります。

 

コンタクトレンズの着脱の際の手の衛生にも十分に注意しましょう。

コンタクトの不衛生は、飛蚊症にも繋がります。目に入れることが当たり前になっているからこそ、きちんとしたケアが大切ですね。