光を浴びたわけでもないのに、目がチカチカする、まぶしく感じるなど、経験した事はありますか?
これが一時的なものであれば、問題ありませんが、慢性化している場合や頻度が高い場合は、病気が原因となって起こっているかもしれません。
ここでは、目がチカチカする原因と対処法を、原因別にご紹介します。
原因① 閃輝性暗点(せんきあんてん)
閃輝性暗点とは、チカチカした光が見えたり、ギザギザしたガラスの破片や、稲妻のような光が見える症状を起こすことです。最初は小さい点が現れて、次第に光が大きくなっていくのが特徴的です。
また、光の症状に併せて、視界の一部が歪んだり、ユラユラと動いたり、目の前が真っ暗になって一時的に見えなくなるなどの視覚障害が起こる場合があります。この症状は15分~40分程度起こります。
偏頭痛が起こる前にこの症状が起き易いと言われています。偏頭痛がおこった場合は、頭が割れそうな頭痛が3時間~4時間続き、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。
原因は、急激な気温の変化や、ホルモンバランスの乱れ、ストレスや睡眠不足による肉体的・精神的な疲れなど様々挙げられます。
これらが原因となって、物を見る役割のある視中枢のある血管が収縮、痙攣を起し、一時的に血流が悪くなることで、閃輝性暗点の症状が発生すると言われています。
若い方でこの症状が現れた場合は、年齢と共に発作回数が自然と減ります。
しかし、中年の方で頭痛を伴わない場合は、てんかん、脳梗塞、脳動静脈奇形、脳腫瘍、血栓といった脳疾患が原因となって引き起こっている場合もあります。
閃輝性暗点の対策
閃輝性暗点の光自体は特に問題がありませんが、後にくる偏頭痛が辛いです。
偏頭痛の対処方法は、下記の5つを実践することで緩和されます。
・患部を冷やす
・暗く静かな部屋で休む
・チョコレートやワインなどのチラミンを含んだ食べ物を摂取しない
・コーヒー、紅茶、緑茶などカフェインを摂取する
・テレビ、スマートフォンを止めて目を休ませる
また、中年の方で閃輝性暗点が起きて、頭痛が起きない場合は、てんかん、脳梗塞、脳腫瘍などが原因で起こっている可能性もあります。
頭痛が起きない方の場合は、一度脳神経外科か神経内科を受診しましょう。
原因② 光視症
光視症は、光のない暗い場所や目を閉じている時に、ピカッと光ったり、チカチカした光が見える症状のことです。光視症の原因のほとんどは、後部硝子体剥離が原因で起こります。
これは、硝子体と呼ばれる透明なゼリー状の組織が、加齢により収縮し、網膜から剥がれてしまう事です。
この状態で目を動かすと、網膜が刺激を受けて光が現れるようになります。その他に、光視症が起きる原因として、網膜裂孔、網膜剥離などの病気が原因の場合もあります。
光視症の対策
網膜裂孔や網膜剥離などが原因で起こっている場合は、治療の必要があります。
特に、網膜剥離は放置すると、失明する危険もあるので、早めの治療が重要です。レーザー治療や外科的手術により治療します。
原因③ 眼精疲労
眼精疲労は、物を見ているだけで疲れを感じたり、目の奥に痛みを引き起こす目の病気です。いわゆる疲れ目の慢性化したものです。
この状態になると、目がチカチカする症状を引き起こす場合があります。チカチカした感じを訴える人もいれば、まぶしい感じがするという人もいます。眼精疲労は長時間目を酷使したことで引き起こります。
眼精疲労の対策
眼精疲労の場合は、目を酷使せずに休息することでよくなります。
目を休ませる以外にも、市販の目薬の使用や目のストレッチ、目に効果的なツボ押し、アントシアニンやビタミンB郡、ビタミンAを積極的に取り入れることで、疲れ目を緩和させることが出来ます。
これらを取り入れても症状が緩和されない場合は、一度眼科を受診しましょう。
原因④ 起立性低血圧(脳貧血)
起立性低血圧とは、低血圧の1種です。起立性低血圧とは、自律神経の乱れが原因で起こる低血圧です。
寝ている状態から急に立ち上がった時に、立ちくらみやめまいの症状が起こります。この時にチカチカした光を感じる方がいます。急に立ち上がることで、脳の血液が下半身に移動します。
この時、脳の血液が不足する事で症状が起こります。脳の血液の量は自律神経でコントロールされている為、自律神経に乱れが生じた場合に起こりやすいと言われています。
起立性低血圧の対策
自律神経の乱れを改善することで、起立性低血圧を改善することが出来ます。自律神経の乱れは、有酸素運動、就寝前の入浴、ストレス解消、質の高い睡眠などで改善できます。
また、血液量を増やす為に、規則正しく、バランスの取れた食事、鉄分とビタミン類の積極的な摂取が重要です。
おわりに
目がチカチカする原因は様々あります。
脳貧血や眼精疲労が原因の場合は、特に大きな病気に繋がるわけではありませんが、光視症や閃輝性暗点の場合は原因によっては、失明や脳疾患である危険性があります。
目のチカチカが頻繁に発生している場合は、眼科や脳神経外科を受診しましょう。