目の奥が痛んだときに、あなたは目の病気を疑いますか。

目の奥が痛いと感じたとしても、実際には多くの原因が潜んでおり、顔の神経痛や脳の疾患である場合もあります。

ここでは、目の奥が痛む原因と対策を、原因別にご紹介します。

原因① 眼精疲労

眼精疲労は、物を見ているだけで疲れを感じたり、目の奥に痛みを引き起こす目の病気です。いわゆる疲れ目の慢性化したものです。

症状は、「目の症状」と「体の症状」の2つあることが特徴的です。

 

仕事場や環境を変えるなど、原因として考えられるものの対策をしない限り、自然に治すことは難しいです。

目の症状の他に、体の症状として、頭痛、肩や首こり、発熱、めまい、うつ、胃痛、ストレス、吐き気、嘔吐などが表れる場合があります。

対策

眼精疲労の場合は、目を酷使せずに休息することでよくなります。

目を休ませる以外にも、市販の目薬の使用や目のストレッチ、目に効果的なツボ押し、アントシアニンやビタミンB郡、ビタミンAを積極的に取り入れることで、疲れ目を緩和させることが出来ます。

原因① 副鼻腔炎

目の奥が痛む症状の1つに、副鼻腔炎があります。これは、顔の鼻部分にある副鼻腔という空洞に炎症が起きる病気です。

風邪などをきっかけとして、副鼻腔に炎症が起きます。炎症した際に発生した膿が排出されずに溜まることで、ズーンとした重い痛みを伴い始めます。慢性化したものは、蓄膿症と呼ばれています。

 

症状は、目の奥が痛む以外に、頭重感、鼻水、鼻づまり、副鼻腔付近の鈍痛 咳、喘息、熱などの風邪症状が現れます。痛みは特に目の下部に痛みがあり、下を向くと痛みを強く感じる場合もあります。

対策

副鼻腔炎の場合は、ズーンとした痛みを伴うのが特徴的です。下を向いた時にズーンとした痛みが強くなったり、ドロドロっとした鼻水がでる場合は、副鼻腔炎の疑いがあります。

この場合は、耳鼻咽喉科で保存療法や手術による治療が必要になります。

原因② 三叉神経痛

顔には三叉神経と呼ばれる顔の感覚を捕える神経が張り巡らされており、熱さや痛み、冷たいなどの感覚を脳に伝えています。

三叉神経は、脳から出て3つの枝に分かれていることから、三叉神経と呼ばれています。この脳の部分に位置する三叉神経が、血管や脳腫瘍、血管瘤などにより、圧迫されることで痛みを感じるようになります。

 

症状は、顔の片側に激痛が走ります。通常は頬や下顎などの部分に起こりやすいと言われており、中でも小鼻の横に感じる方が多いです。その為、目の奥に激痛が走っているように感じます。

痛みは一瞬電気が走るような、鋭利なもので刺したり、えぐったような、チクチクとした痛みが特徴的で、1日の内に、何度も痛みが発生します。

対策

三叉神経痛の場合は、チクチクとした刺される様な痛みを伴うのが特徴的です。

また、手を顔に触れると痛みが現れる場合もあります。

この場合の治療方法は、外科手術もしくは薬物療法での治療が行われます。三叉神経痛が疑われる場合は、脳神経外科か神経内科を受診しましょう。

原因③ 緑内障

緑内障とは、視神経という箇所に障害が起こる病気で、網膜の神経細胞が徐々に死滅していく為、最悪の場合失明する危険があります。

目の奥が痛むこと以外に、物がゆがんで見えたり、視力低下、視野が狭くなる、片目で見ると見えないといった視野の異常が現れるのが特徴として挙げられます。

一度失った視力は基に戻らない為、症状が進行する前にすぐに眼科を受診して治療を受ける必要があります。

対策

緑内障の場合は、痛みの他に、目の視力が低下したり物がゆがんで見えるようになるのが特徴的な症状です。

緑内障の治療は、点眼などの薬物療法を中心とし、症状が進行したり、効果が見られないようであれば、レーザー治療や手術を行う必要があります。

緑内障の疑いがある場合は、眼科を受診しましょう。

原因④ 群発頭痛

群発頭痛は、ある一定の期間に集中して起こり、激しい頭痛を伴います。

20代~40代の男性に比較的に多く発症すると言われています。

群発期間中は1日に1回~2回ほど痛みが生じ、特に夜中と朝方に見られる場合が多いです。

 

アルコールやタバコの摂取、急激な気圧の変化で誘発されることが多いと言われています。

原因については解明されていないことも多いですが、目の後ろにある血管が拡張することが要因となり、目の奥に痛みを伴うと考えられています。

対策

群発頭痛の場合は、目をえぐられるような激しい痛みを伴うのが特徴的です。

群発頭痛の疑いがある場合は、神経内科、脳神経外科を受診しましょう。

原因⑤ 脳腫瘍

脳腫瘍とは、脳の疾患の1つで脳内に腫瘍が出来ることです。その腫瘍が脳内を圧迫し、頭蓋の内圧が高まることで、痛みが生じます。

脳腫瘍が発生する原因は明確にされていませんが、食生活やストレスが原因ではないかと考えられています。

目の奥の痛み以外に、吐き気や嘔吐などの症状も見られます。痛みは発作的ではなく、毎日定期的に痛みを伴い、痛みは日に日に強くなります。

対策

脳腫瘍が出来ている場合は、痛みが日に日に増すのが特徴的で、吐き気や嘔吐を伴います。

脳腫瘍の疑いがある場合は、内科、神経内科、脳神経外科を受診しましょう。

おわりに

目の奥の痛みは、眼精疲労や緑内障などの目の病気だけでなく、脳腫瘍や三叉神経痛、群発頭痛など脳の部分が原因である場合や、副鼻腔炎といった鼻の部分が原因である場合など様々な箇所で引き起こされます。

目の奥の痛みを伴う場合には、深刻な病気が原因のことが多い為、今回ご紹介したそれぞれの特徴的な症状を確認して、早めに専門医を受診されることをおススメします。