私たちは、普段まばたきを意識して生活はしていません。

光がまぶしくて目をしばたいてみたり、目にゴミが入ったときにパチパチやってみたりするのも反射的なまばたきです。

 

無意識に行われているまばたきですが、時々意識的にまばたきをしないと目に大きな負担をかける原因になります。

今回は、まばたきの役割とドライアイとの関係について、ご紹介します。

まばたきの3つの役割

①目を涙でおおう

私たちの体は、皮膚というバリアーでおおわれているため、外からの外敵から身を守ることができます。

しかし、目の場合は直接光を網膜に届けなければ意味がないため、完全に外部にさらされた臓器といえます。そこには、皮膚もなければ、血管もありません。

 

その代わりを務めるのが涙です。涙によって、外からのゴミや細菌の侵入を防ぎ、乾燥から目を守っています。

 

ですが、涙の膜はそのままでは10秒もしないうちにムラになって、角膜が外部に露出してしまう部分が出てしまいます。そのようにならないために、まばたきが必要になります。

 

つまり、まばたきをすることで涙腺から涙の分泌を促し、涙を眼全体にむらなく均等に広げることができるのです。

涙には、酸素・栄養供給の役割もあるため、涙で目を覆うことによって、酸素や栄養の補給も行っています。
参考:涙はなぜ出るの?その4つの役割とあくびとの関係とは

②汚れた涙を排出する

眼球は、涙によって守られています。酸素や栄養を運ぶだけではありません。

目も細胞の集合体ですから、老廃物や新陳代謝による角質が出ます。それを涙が洗い流してくれます。

 

涙が出るだけではきれいに洗い流すことはできません。

まばたきすることで、まんべんなく眼球全体の掃除ができるのです。いってみれば、車のワイパーのような役割です。

③目を休める

まばたきは平均で1分間に15回ほど、1回に0.3秒くらいです。

この一瞬の暗闇が光を遮断して、私たちの目を休めることにつながります。

 

目にはいろいろな筋肉があります。レンズの「絞り」の役割をする毛様体筋や明るさを調整する虹彩筋など、常に目を開いている時に、フル回転しているのです。

そのため、まばたきすることによって、これらの筋肉の連続した緊張を和らげています。

ドライアイとまばたきの関係

まばたきは、涙を均等に眼に行き渡らせ、乾燥から守っています。

しかし、まばたきが極端に少なくなると、どうしても涙にムラができて、網膜の一部が外部に露出して、乾燥してしまいます。

 

目が乾燥すると「眼が疲れやすい」「眼がゴロゴロする」「目が痛い」「まぶしい」「かゆい」「物がかすんで見える」といった不快感があらわれます。これがドライアイという症状です。

なぜドライアイになるのか

ドライアイとは、なんらかの原因で、涙が少なくなったり、涙の出が不安定になって、目に炎症が起こりやすくなっている状態です。

シューグレン症候群や糖尿病といった病気が関係しているドライアイもあります。加齢によってもドライアイは起こります。

 

しかし若い人の場合、ほとんどは目の酷使、まばたきの不足からドライアイになってしまいます。

 

最近一番多い原因は、「パソコン仕事が多くなった」「スマホを見る時間が長くなった」ことがあげられます。パソコン画面やスマホの画面を集中してみていると、まばたきは極端に少なくなります。最近目が疲れるといって眼科に訪れる人の6割以上がドライアイだといわれています。

また、パソコンやスマホの普及で、「VDT症候群」という症状を訴える人も増えています。

VDT症候群の原因の1つに、まばたきの減少がありますので、特にパソコンやスマホを利用しているときは、意識してまばたきするようにしましょう。

まとめ

普段意識せずに行っているまばたきですが、目を守るためにとても大切な役割をしています。

パソコンやスマホで集中した後は、意識的にパチパチとまばたきをする習慣をつけると、疲れ目を和らげ、さらにはドライアイの予防にもなります。